一口にストーカーと言っても、様々なパターンがあります。
そのため今回は何種類かあるストーカーの実例を2つ説明します。
その後、その事例はどこが注目ポイントなのか説明し、最後にどのように対策があるのか説明しようと思います。
実例1:交際相手がストーカーに
初めの事例は、交際相手との別れ話が原因でトラブルになったものです。
別れ話からすべてが始まった実例
A子さんは先日、2年交際した交際相手と性格の不一致から別れを切り出したのですが、どうやら交際相手は別れることに納得していないようでした。
別れを切り出して以降、A子さんの携帯電話には交際相手からひっきりなしに連絡が来るため、A子さんは逐一メッセージに返信していました。
しかし交際相手からくるメッセージは、初めは復縁を求めるものだったのですが、次第にA子さんの家にある交際相手の私物の返還を求めるものに変わっていき、最終的にはA子さんのことを侮辱するような内容になりました。
ひっきりなしに連絡がくるため、A子さんは交際相手に返事をしなくなりましたが、それ以降も交際相手からのメッセージは送られ続けたため、A子さんはうつ症状を発症してしまいました。
注目ポイントは?
今回の事例は、交際相手が大量のメッセージを送信してくるタイプのものでした。
② 連絡をやめるタイミング
という点になります。
今回のストーカーは2年間も交際を続けていたということで、被害者と関係が深くなっていると思われます。
そうなると双方の自宅にお互いの私物が置いてあるでしょうから、それをダシにストーカーは被害者に接触しようとしてきます。
ここでストーカーと接触すると、何かしらの被害を受けることが考えられるので、決して接触してはいけません。
また、被害者はストーカーに対しメッセージ等を送信する義務はまったくありませんが、今まで返信していたにも関わらず、急に返信を途絶えさせるのはあまり得策とは言えません。
急に返信をしなくなることによって、相手の神経を逆なでしてしまうことに繋がるからです。
そのため連絡をとるのをやめるタイミングを計るのが重要となってきます。
この実例の対策は“直接会わない”がベスト
交際相手がストーカーになった場合、被害者との関係を修復するために、被害者との接触を強く求めてくる傾向があります。
今回の事例でストーカーは私物の返還を求めていますが、この場合のストーカーは私物うんぬんよりも、被害者と接触する機会を作る口実にしている可能性が高いと思われます。
そのため、実際に私物の返還を求められた場合は、ストーカー本人を自宅に呼んで物を持っていかせるのではなく、郵送でのやり取りや、友人等の第3者を経由して返還するようにしましょう。
また相手への連絡をやめる時は、急にやめるのではなく今後メッセージを送らないでほしいこと、これ以上メッセージ等で接触してきた場合には警察に相談すること等をはっきりと告げてからにしましょう。
きちんと拒否することによって、今後ストーカーがメッセージ等を送信してきた場合、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」の第2条第5項に規定されている禁止行為の「~拒まれたにもかかわらず、連続して~電子メールの送信等をすること」に該当することになるため、警察もストーカー事件として対応しやすくなります。
事例2:バイト先のお客さんがストーカー?
続いての事例は、まだはっきりとした被害はないけれども、もしかしたらつきまとわれているかもしれないというタイプのものです。
被害がまだないつきまといの実例
B子さんは長年本屋で働いており、職場の同僚との関係も良好です。
最近自分が売り場に出て本の整理をしていると、どこからか視線を感じるようになりました。
どうにも落ち着かない気分になり、店長に頼んで店の防犯カメラを確認させてもらったところ、仕事をしているB子さんの後をついて回る客がいるのに気が付きました。
B子さんはその客と話をしたことがなく、なぜ付け回されているのか見当もつきませんし、同僚もその客については特に心当たりはないと話しています。
その客はB子さんには決して接触してきませんし、ずっとついてくるわけでもないので、もしかしたらただの買い物客かもしれません。
しかし、今後何かされるかもしれないという不安から、B子さんは仕事に行くのも怖くなってしまいました。
注目ポイントは?
この事例の注目ポイントは、相手が接触してきているかどうかです。
皆さんが勘違いしがちなのが、「何もされてないからどうしようもない」と考えてしまうことです。
ストーカーは徐々に程度が重くなる傾向があるため、最初の段階で被害を食い止めることが重要になります。
もし「もしかしたら付きまとわれているかも」と思った場合は、すぐに対処をしたほうがよいでしょう。
“一人ではなくみんなで”対策を
今回の事例のストーカーは見ているだけのタイプでしたが、今後どのように発展するかわからないので、必要以上にストーカーと接触しないようにすることが大切です。
被害者の方が仕事場を変えることができれば一番いいのですが、今のご時世、実践するのはなかなか困難です。
そのためこのような場合、まずは職場の上司や同僚に事情を説明し、みんなでストーカーに対応するという環境にしましょう。
そしてバイトのシフトを変更したり、ストーカーが来店した時にはバックヤードに下がる等の工夫をしたりして、ストーカーに接触しない環境を整えましょう。
もちろん「こんな些細なことで」と思わずに、警察にも相談をしにいってください。
防犯カメラの映像から、ストーカーを特定できるかもしれません。
ストーカーかどうか判断しにくい時こそ、みんなに相談して被害の拡大を抑えましょう。
対策をきちんと把握してストーカー被害を防ごう!
今回は2パターンの実例を元に、対策について説明しました。
しかしストーカーのパターンは千差万別で、すべてのストーカーが今回の事例に当てはまるというわけではありません。
今回紹介したものは「ストーカー対策の一部」として頭にいれ、実際に被害に遭った際はすぐに警察等の専門機関に相談するようにしてくださいね。